とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

不動産登記

相続人に未成年者がいる相続登記の依頼

先日、住宅ローン完済による抵当権抹消の相談に来られた方がいましたが、よく話を聞いてみると担保物権が亡くなった配偶者の名義であることが判明しました。そこで、相続登記をしないと抹消できない旨を説明しさらに聞き取りをしたところ、相続人たるお子さ…

抹消登記の登記原因更正は無事完了

先日申請した抵当権抹消登記の登記原因更正登記は、無事に完了しました。結局、登記申請人として登記権利者が物件の所有者(もしくは設定者)で登記義務者が抵当権者でした。 登記原因証明情報として今回は報告形式のものを添付しましたが、抹消登記当時の弁…

(根)抵当権の債務者変更登記の前提としての債務者の住所変更

抵当権の債務者を免責的債務引受により変更する場合において、変更前の債務者につき住所もしくは氏名が変わっている場合は、当該債務者につき住所もしくは氏名が変わったことによる抵当権変更登記をする必要はあるでしょうか。 登記研究第452号によれば、…

買戻権の単独抹消

4月1日より施行された改正不動産登記法により、契約の日から10年以上経過している買戻権については、所有者など登記権利者より単独で抹消登記申請をすることができるようになりました。登記権利者による単独申請の場合、登記義務者たる買戻権者には抹消…

初の都内での決済立会

先週末、都内で決済があり立ち会ってきました。都内で本人確認は何度かありましたが、決済は初めてです。売買物件が農地ということもあり今回は契約と書類への調印だけになり、後日、代金を支払った後に申請という流れになります。 今回の売買物件が主に農地…

所有者の名字が元に戻った場合

先日、決済がらみでこのような所有権登記名義人住所変更登記の依頼がありました。 ○所有者A ・住所 登記簿上の住所X→Y→Z ・本籍 X→Y→Z ・名字 登記簿上の名字A→B→A 住所については、結婚により名字がBになったのと同時にYに移転し、離婚により名…

所有権登記名義人住所変更登記で登記識別情報を添付する場合

所有権登記名義人住所変更登記で、所有者の住所が登記簿上の住所から現在の住所につながらない場合、例えば、住所をA~B~Cと移転しているがA~Bへの住所移転の経過を住民票除票や戸籍附票等で証明できない場合、取得できた住所移転の経過が分かる証明…

農地の共有持分の売買と農地転用届出

先日、売買による市街化区域の農地の持分移転の依頼がありました。 (甲土地) 持分2分の1 A持分2分の1 B 今回、B持分を売買によりCに移転することになりました。この場合の農地転用届出書の譲渡人及び譲受人の記載が以下の通りになっていました。 …

土地売買後に届出が必要な場合

ある一定以上の土地を売買する場合、届出が必要なことがあります。具体的には以下の通りになります。 (1)国土利用計画法(栃木県内は事後届出制) ① 市街化区域:2,000㎡以上 ② ①を除く都市計画区域:5,000㎡以上 ③ 都市計画区域以外の区域:1…

自己転用済みの農地

今週、地元のお客さんから決済の依頼がありました。今回は売買契約締結後売買代金を全額支払うことになっています。物件などはこんな感じです。 ・決済予定日:来週の木曜日 ・決済場所:都内 ・物件:事務所敷地と農場(宅地、山林、畑)と事務所建物。未線…

合併による所有権移転登記

先日、合併による所有権移転登記の依頼がありました。もちろん、消滅会社名義の不動産が対象になります。 この場合の登記原因証明情報は、原則として吸収合併した旨の記載がある存続会社の登記事項証明書を添付するか、会社法人等番号を提供することになりま…

胎児を相続人とする相続登記

今年の改正により胎児を相続人とする相続登記をする場合、申請人たる胎児の表示は「何某(母の氏名)胎児」となります。今までは「亡被相続人名妻何某胎児」でしたが、今年の4月に施行された改正民法及び改正不動産登記法により変わりました。 その後、胎児…

相続登記の依頼続き・2

ここのところ相続登記の依頼が断続的に続いています。単純に不動産の相続登記をする案件だけでなく、預貯金もあり法定相続情報一覧図の保管及び写し交付の申出もセットで行う案件もあります。 これだけ相続登記の依頼が続くのは、やはり、来年からスタートす…

相続登記の依頼続き

GW明けの今週、少しずつ動きが出てきた感じがしますが、静かな状況には変わりがありません。ただ、ここのところ相続登記の依頼が続けてあります。 これらの中で、すぐに手続が進んでいく件があれば、これから少しずつ進めていくものあります。また、手続が…

抹消登記の登記原因更正

先日、既に完了している抵当権抹消登記の登記原因が間違っているので修正して欲しいとの連絡がありました。なかなか実例がないので、以前、ここで取り上げた事例に基づいて検討したいと思います。 上記の事例では2番根抵当権抹消登記が乙区4番に、その更正…

抹消書類を受領しに宇都宮へ

金曜日の午前中にあった中古住宅の決済ですが、売主さんにつきフラット35とプロパーローンの抵当権の抹消があり、抹消した上で買主さんに所有権移転し、フラット35の抵当権設定をする流れでした。抹消書類ですがフラット35の取扱業者の営業所がある宇…

長期相続登記等未了土地の相続登記は完了

今週初めに申請した長期相続登記等未了土地の相続登記ですが、当初依頼を受けた相続登記とともに無事に完了しました。 今回のケースでは、長期相続登記等未了土地が2筆ありそのうち1筆につき付記登記がなされていたケースだったので、法務局に備え付けられ…

公証人による委任状への認証

先月末の決済の件につき、売主さんが実印を忘れてしまった場合に公証役場にて、公証人による委任状への認証をしてもらえば良かったのではとの話がありました。 その根拠は、不動産登記令第18条第2項にて法務省令で定める場合を除いて印鑑証明書を添付する…

年度末の決済での出来事

3月31日の午後の決済でのことです。売買物件は3人共有の土地で、共有者かつ売主さんの1人が実印を忘れてしまいました。それも、その方は都内に住んでおり実印を自宅に取りに行き、決済場所に戻ってくるだけでも4時間以上かかってしまいます。ただ、買…

直接面談が困難な方の本人確認情報

先月末に、直接面談が困難な状況にある施設に入所中の申請人にかかる本人確認情報作成につき通達がありました。 司法書士等資格者代理人が施設に直接赴き、申請人等とは直接接触しない施設内の別室等において、テレビ会議やWeb会議(例:Zoom)を用いて本人…

仮換地証明書と底地証明書の違い

先日、依頼があった相続登記案件の中に区画整理事業中の地区の不動産が相続物件であるものがありました。 評価証明書には仮換地指定後の街区画地番号と評価額の記載があるだけで、従前地の表示がなかったため、当該街区画地番号の土地の従前地の地番が出てい…

長期相続登記等未了土地の相続・2

先日、現在手がけている相続登記案件に関連する長期相続登記等未了土地の相続登記の依頼がありました。当初はどうなるかと思いましたが、先に依頼を受けた被相続人の夫が登記名義人から家督相続していることが分かったので、実質的には被相続人の夫の相続に…

被相続人の甥姪が相続人になるケース

ここのところ、独身で子どもがいない被相続人の相続が続いています。その中でも、被相続人の直系尊属だけでなく兄弟姉妹も亡くなり、甥姪が代襲相続人になるケースが続いています。 これも、少子化による影響なのでしょうか。被相続人の甥姪が代襲相続人にな…

租税特別措置法第84条の2の3第2項が適用される登記

租税特別措置法第84条の2の3第2項により、相続による所有権移転登記をする際に、固定資産評価額が100万円以下の土地については登録免許税が非課税になります。また、共有持分の相続登記の場合は、移転する持分の価格が100万円以下であれば登録免…

登記完了証は評価証明書の代わりになるか

同一年度内に、AからBに相続による所有権移転登記(オンライン申請)をした上で、BからCに売買による所有権移転登記をするケースで、AからBに相続による所有権移転登記申請の際に、最新年度の評価証明書を提出する必要があります。これは、BからCに…

遺贈による所有権移転登記が簡略化

今年の4月1日に施行される改正不動産登記法により、相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができるようになります。 遺贈による所有権移転登記については、原則として登記権利者たる受贈者と登記義務者たる相続人…

数次相続で中間の相続人が直系尊属のケースは無事完了

先日ここで取り上げた、数次相続で中間の相続人が直系尊属のケースですが今日までに無事に完了しました。今までなかったケースなので、最初はいったん直系尊属たる亡母の名義にする必要があると思いましたが、中間が単独相続なのでその必要はないと気付くこ…

住居表示実施地域で登記簿上の住所が記載されている証明がない場合

地元は住居表示実施地域はありませんが、近隣市町には住居表示実施地域があります。さて、相続登記や所有権登記名義人住所変更登記の依頼で、被相続人や所有者の登記簿上の住所が住居表示実施後の住所になっており、その住所に居住していたことを証する住民…

数次相続で中間の相続人が直系尊属のケース

現在手がけている相続登記案件ですが、数次相続で中間の相続人が直系尊属になるケースがあります。このケースでは、以下の順番で相続が発生しています。なお、不動産の登記名義人は被相続人X名義で、被相続人には配偶者はおらず弟のYがいます。 1.昭和6…

売主さんが複数名いる決済

昨年から売主さんが複数名いる決済案件を手がけています。まずは売主さんの1人の名変登記を申請し、その後、今年に入ってから(根)抵当権を抹消しました。そして、セットバックのために分筆登記をしてもらった上で、決済という流れになります。 ただ、売主…