とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

物件が一部異なる2つの担保権の同順位設定

 先月末に地元の同級生から相談を受けた件です。2つの担保権を同順位で設定するものの、物件が一部異なる場合に同順位設定ができるか否かに関するものでした。

 

☆具体例

○同順位(あ)抵当権設定

・対象物件

→A市B町1番の土地、同所1番地 家屋番号1番の建物

 

○同順位(い)根抵当権設定

・対象物件

→A市B町1番の土地、同所2番の土地、同所1番地 家屋番号1番の建物

 

 まず、抵当権と根抵当権の同順位設定は可能です(不動産登記法第19条)。さて、このような場合に上記抵当権及び根抵当権を同順位設定することはできるでしょうか?

 

 今までこういったケースがなかったので、同級生に対し「万全を期するなら上記A市B町1番の土地と建物につき同順位で抵当権及び根抵当権を設定した上で、A市B町2番の土地については別申請ですることになるのかな…。」と回答しました。

 

 そこで、彼が管轄法務局に確認したところ、このように物件が一部異なる場合でも同順位で設定できるとのことだったそうです。結局、A市B町1番の土地と建物の土地・建物については抵当権と根抵当権が同順位で登記され、A市B町2番の土地については根抵当権だけが登記されることになったようです。

 

 今回のケースは今までに一度も遭遇したことがなかったので、ワシ自身にとっても勉強になりました。ただ、イレギュラーな事例なので、このようなケースに遭遇した場合には事前に管轄法務局に確認した方がいいかもしれないですね。