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指定債務者の合意後に必要な登記

 根抵当権の債務者が亡くなり相続開始後6ヵ月以内に指定債務者の合意による根抵当権変更登記をすれば元本確定せずに済みます。

 

 ただ、遺産分割協議等により相続人のうち誰が債務を相続するかを決めない限り、当該根抵当権の被担保債務たる亡くなった債務者が負っていた債務は、法定相続人全員が法定相続分に応じて負担する分割債務となったままになります。

 

 そこで、指定債務者の合意による根抵当権変更登記の後に、亡くなった債務者が負っていた債務につき根抵当権者(金融機関等)と債務を免れる相続人、債務を引き受ける相続人(指定債務者)とで免責的債務引受契約を締結した上で、根抵当権の債務者及び債権の範囲の変更登記をすれば、亡くなった債務者が負っていた債務につき指定債務者となった相続人が負担することになります。具体的にはこのような感じです。

※参照:登記研究第794号

 

登記の目的 根抵当権変更

登記原因 年月日変更

変更後の事項

 債務者 A

債権の範囲

 銀行取引、手形債権、小切手債権、電子記録債権

 年月日債務引受(旧債務者B、C)にかかる債権

 年月日相続によるAの相続債務のうち変更前根抵当権の被担保債権の範囲に属するものにかかる債権

(以下省略)

 

 よって、元本確定前の根抵当権の債務者に相続が発生した場合、最終的に相続人の1人が債務を相続し、かつ、当該根抵当権を生かすことにするなら先ほどの記事と合わせて下記の登記をすることになります。

 

1.債務者の相続による根抵当権変更登記

2.指定債務者の合意による根抵当権変更登記

3.債務者及び債権の範囲の変更による根抵当権変更登記

 

 今度、このような案件を手がけることになりました。元本確定前の根抵当権の債務者が亡くなった場合の登記自体、今まで手がけたことがなかったので調べてみたのは言うまでもありません。