とある司法書士の戯れ言

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相続登記の錯誤抹消・1

 先日、依頼を受けた相続登記の件になります。住宅ローンが完済したものの、抵当権を抹消するにあたり相続登記を済ませないと抹消できなかったので、相続登記と抵当権抹消登記をまとめて進め、登記が無事完了しました。依頼者に納品すべく書類を説明をしたところ「抵当権抹消登記をするために相続登記が必要な不動産だけ登記してもらうつもりだった」との話が…。

 

 依頼を受けた際にこのような話がなかったので、依頼者が被相続人名義の不動産全てにつき相続する旨の遺産分割協議書を作成し、相続人全員から署名押印していただいた上で今回の相続登記を進めてしまいました。そのため、相続登記&抵当権抹消登記をした物件以外につき相続登記の錯誤抹消をすることにしました。相続登記を錯誤抹消する場合の登記申請人は以下の通りになります。

 

 被相続人A、Aの相続人はBCDの3名でD名義に相続登記がなされている。

 

登記権利者(住所)亡A

上記相続人(住所)B、C

登記義務者(住所)D(登記名義人)

 

 なお、登記権利者たる亡Aの相続人が複数名いる場合、そのうちの1人から相続登記をすることが可能です。(登記研究第427号)また、仮にBが特別受益者であってもBは登記権利者になります。(登記研究第357号)よって、B及びCからの申請はもちろんOKですし、BまたはCからの申請で足りることになります。

 

 なお、今回のケースは相続登記をした物件のうち一部の物件につき錯誤による所有権抹消登記をすることになります。登記研究第371号によると、相続登記をした物件のうち一部の物件につき錯誤による所有権抹消登記を申請した場合、当事者間の合意があればそのまま受理して差し支えないとのことです。

 

 今回のケースは、遺産分割協議書に錯誤があることを理由として、相続&抹消登記をした物件以外の相続登記を抹消する旨の合意がBCD間で成立しているため、抹消登記は可能だと考えます。