とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

数次相続が生じている場合の遺産分割協議書

 数次相続のケースにおいて、遺産分割協議書に最終的な遺産分割協議の結果しか記載されていない場合、この分割協議書による相続登記はできないものとされていました。そのため、被相続人が亡くなった後、亡くなった相続人たる子どもXが取得した相続分につき「なお、相続人の1人であるXについては、平成○年○月○日に死亡したため、Xの相続分についても分割協議を行った。」旨の記載をする必要がありました。

 

 しかし、平成29年3月30日付法務省民二第237号通達により、遺産分割協議書に最終的な遺産分割協議の結果しか記載されていなくても、相続人全員の署名押印があれば、中間の相続の取得者が単独であったか否か必ずしも明白ではない場合であっても、直接の相続登記が可能となりました。

 

 よって、上記の記載は必ずしも必要ではないということになりました。最終的な取得者が相続人全員の合意により決まっているのであれば、黙示的に中間者が単独で取得したであろうと判断しようということになり、この通達が出たのではないかと思われます。