とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

行政証明とは

 行政証明とは、行政法上、国の行政機関の長や地方自治体の長が、法律または行政慣例にしたがい法律要件事実または法律関係について「その存否」を一般市民の要求に応じて証明したものです。
 
 先日、とある市町村役場に、被相続人Aが亡くなった時点の住所を証明する「除住民票または戸籍附票」を請求したところ、閉鎖されて5年以上経過しているため発行できないとの回答がありました。なお、亡くなった時点の住所と本籍は異なります。
 
 被相続人Aが亡くなってから20年経っているので仕方ないということで亡くなった時点の住所につき「不在住・不在籍証明書」を請求したところ、亡くなった時点の住所の記録があるため「不在住証明書」は発行できないとの回答がありました。
 
 そのため「亡くなった時点の住所の記録がある書面」が欲しい旨を伝えたところ「行政証明としてなら」ということで、被相続人が亡くなった時点の住所が記載されている戸籍附票を発行してもらえました。
 
 結局、請求先の市町村長が行政慣例に従って「請求対象たる被相続人が亡くなった時点の住所がM市K町1番地に存在していた」ことを証明したことになるのでしょうか。必要としていた内容の証明書を入手することができたのでひと安心ですが、狐につままれた気分になってしまいましたね。