とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

成年後見人が遺産分割協議に参加している場合

 相続人の1人につき成年後見人が選任されている場合には、当該成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加し、遺産分割協議書に記名した上で実印を押印し印鑑証明書も添付することになります。

 

 成年後見人の住所が自宅の住所で登記されていれば、市区町村長発行の印鑑証明書を添付することになりますが、司法書士成年後見人になっている場合で住所が事務所の住所になっている場合にはどうでしょう?

 

 この場合は、日司連から自宅と事務所の住所が記載されている登録事項記載証明書を取り寄せた上で、市区町村発行の印鑑証明書を添付することになります。

 

 さて、成年後見人たる司法書士家庭裁判所に印鑑を届け出ていれば、家庭裁判所の書記官が作成した印鑑証明書を発行してもらうことができます。裁判所書記官作成の印鑑証明書には事務所の住所が記載されているので、わざわざ日司連から登録事項記載証明書を取り寄せる必要がなくなります。

 

 所有権移転登記の登記義務者として添付する成年後見人の印鑑証明書として、家庭裁判所書記官作成の印鑑証明書を添付してもいいことになっています(登記研究第815号171頁)。そうなると、遺産分割協議書に裁判所への届出印を押印の上、裁判所書記官作成の印鑑証明書を添付しても問題なしということになりますね(不動産登記規則第48条参照)。