とある司法書士の戯れ言

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分筆登記の前提としての所有権登記名義人住所変更登記

 時々、土地家屋調査士さんから依頼があるのが、分筆登記の前提になる所有権登記名義人住所変更登記です。

 

 そもそも、分筆登記をする場合において所有者の現住所と登記簿上の住所が合致している必要があるか否かが問題になります。この点については登記研究に下記の記載があります。

 

1.登記名義人表示変更登記の省略の可否(登研429号)

〇要旨:土地分筆登記申請の際、土地所有者の表示(住所)変更登記を省略することはできない。

 

Q:土地の分筆の登記申請書に、申請人の変更後の住所を記載したため、登記簿の所有者の表示と一致しない場合において、住所変更を証する書面を添付しているときは、登記名義人の表示変更登記を便宜省略し、当該分筆登記申請は受理できないでしょうか。

 

A:受理できないものと考えます。

 

2.住所の変更を証する書面を添付してなされた分筆登記の申請の受否(登研581号)

 

〇要旨:表題部に記載された所有者又は所有権の登記名義人の住所の変更を証する書面を添付して分筆の登記の申請があった場合「便宜」受理して差し支えない。

 

 上記1と2とで相矛盾する質疑応答になっておりますが、2が「便宜受理して差し支えない」とあるので、1の質疑応答のように所有権登記名義人住所変更登記をした後に分筆するのがオーソドックスなやり方なのかもしれません。