登記原因を間違えるのは司法書士としてやってはいけないミスですが、やむなく更正する場合の申請人は原則として下記のとおりです。
1.所有権移転登記の登記原因の更正
・登記権利者:更正する所有権移転登記の登記権利者(買主、受贈者など)
・登記義務者:更正する所有権移転登記の登記義務者(売主、贈与者など)
2.担保権設定登記の登記原因の更正
①原則
・登記権利者:担保権者
・登記義務者:担保権設定者
更正登記では、登記権利者(担保権者)および登記義務者(担保権設定者)にとってどちらが有利になるか分からない場合は、更正する登記の登記権利者(担保権者)が登記権利者になります。
②例外
○登記原因日付を「平成26年1月1日金銭消費貸借」とすべきところ、誤って「平成25年1月1日金銭消費貸借」と登記されてしまった場合
・登記権利者:担保権設定者
・登記義務者:担保権者
この場合、金銭消費貸借契約の日付を遅らせることになるため、利息が減少することになります。ゆえに、担保権設定者にとって有利になるので登記権利者が担保権設定者になります。
ただし、利息の定めが登記されておらず、損害金だけが登記されている場合に、登記原因日付を遅らせる更正登記をする場合はどうでしょう?
この場合、遅延損害金が発生しているかどうか分からず担保権者および設定者のどちらが有利になるか分からないため、登記権利者が担保権者で登記義務者が担保権設定者になると考えられますが…。
ちなみに、登記研究にいくつか出てますが、どんな登記であれ登記原因の日付を受付日以後の日付に更正するのは認められません。