とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

「齋」と「斎」は同一字だが別字である

 今日の夕方、「齋」と「斎」とでこんなことがありました。登記簿の記載は以下の通りです。なお、物件は山本一男が払下げを受けた土地だとします。

 

甲区

1番 所有権保存 所有者 山本一男 

2番 所有権一部移転 平成10年1月1日贈与 

共有者 持分4分の1 山本二郎 持分4分の1 斎藤三郎

3番 山本一男持分全部移転 平成20年1月1日贈与

共有者 持分4分の1 山本二郎 持分4分の1 齋藤三郎

4番 山本二郎持分4分の1、斎藤三郎持分全部移転 令和1年12月28日売買

共有者 持分2分の1 馬場四郎

 

 この土地につき、登記原因が令和1年12月28日売買で、登記の目的を「山本二郎持分4分の1、齋藤三郎持分4分の1移転」とする登記を申請し、馬場四郎さんに持分2分の1を移転しました。

 

 だた「斎」と「齋」は同一字で「齋藤三郎」と「斎藤三郎」は同一人物ですが、コンピュータ上では別字として扱われるため、別人と扱われてしまいます。そのため、甲区3番と4番の齋藤(斎藤)三郎持分のうち4分の1移転するためには登記の目的を「山本二郎持分4分の1、斎藤三郎持分8分の1、齋藤三郎持分8分の1移転」としないとならないのです。

 

 これだと何だかおかしいので、今回は便宜、甲区2番の斎藤三郎持分全部と甲区3番と4番の山本二郎持分のうち4分の1を移転する形で処理してもらいました。

 

 その結果、この土地は山本二郎さんと齋藤(斎藤)三郎さんがそれぞれ4分の1ずつ、馬場四郎さんが2分の1の割合で共有しているにも関わらず、甲区4番の登記の目的が「山本二郎持分4分の1、斎藤三郎持分全部移転」なので、登記の目的を見ると斎藤(齋藤)三郎持分が全部馬場四郎に移転しているものと勘違いしてもおかしくない記載になってしまってます。

 

 ちなみに、山本さんと齋藤さんの残りの持分は全部売却しますが、この時の登記の目的は「馬場四郎を除く共有者全員持分全部移転」となります。