とある司法書士の戯れ言

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錯誤取消による所有権抹消登記の登記原因証明情報

 民法改正により錯誤は取消事由になりました。改正前は無効事由だったので、登記原因は「錯誤」から「年月日取消」になります。

 

 また、登記原因証明情報の「登記の原因となる事実又は法律行為」として記載する内容が変わりますね。具体的にはこんな感じです。

 

(1)令和元年5月1日、売主Aと買主Bは本件不動産につき売買契約を締結し、所有者をBとする旨の所有権移転登記(令和1年5月1日受付第5151号)を経た。

(2)本件売買契約は、本件不動産から徒歩1分のところに新駅ができる計画が進捗していることを前提に、新駅計画前の相場と比べて著しく高額な金額で契約した。ところが、実際は契約時点で新駅ができる計画が中止され、再開される見込みがなかったため。令和元年6月30日、買主Bは錯誤を理由に本件売買契約を取り消した。

(3)よって、本件不動産の所有権は、契約時に遡及してAに帰属したため(1)のB名義の所有権移転登記を抹消する。

 

 今後、贈与による所有権移転登記の抹消登記の依頼があると考えられます。そのため、手元にある書籍に目を通してみたのは言うまでもありません。