合資会社において、有限責任社員が全員退社し無限責任社員だけになった場合は合名会社に種類変更されたものとみなされ、無限責任社員が全員退社し有限責任社員だけになった場合は合同会社に種類変更されたものとみなされます。
さて、有限責任社員が全員退社した場合で合同会社として存続したい場合はどうでしょうか?
この場合、有限責任社員が全員退社した時点で合名会社に種類変更されたものとみなされるので、合資会社から合名会社に種類変更する必要があります。その上で、総社員の同意により、無限責任社員全員が有限責任社員に責任変更したことによる合同会社への種類変更することになります。ゆえに、以下の登記をすることになります。
4-1:みなし種類変更による合名会社設立登記
4-2:みなし種類変更による合資会社の解散登記、有限責任社員全員の退社の登記
4-3:種類変更による合同会社設立登記
4-4:種類変更による合名会社解散の登記
仮に、上記のケースで合資会社として存続する場合には、合名会社にみなし種類変更された後に、総社員の同意により無限責任社員の一部を有限責任社員に責任変更するか、新たに有限責任社員を入社させることで合資会社に種類変更することになります。ゆえに以下の登記をすることになります。
4-1:みなし種類変更による合名会社設立登記
4-2:みなし種類変更による合資会社の解散登記、有限責任社員全員の退社の登記
4-3:種類変更による合資会社設立登記
4-4:種類変更による合名会社解散の登記
みなし種類変更が生じた場合は、その旨の登記を省略することができないので手間がかかりますね。
なお、みなし種類変更により、会社の種類が変わった旨の定款変更があったものとみなされるだけです。よって、種類変更後の会社の定款については、改めて総社員の同意を得る必要があります。