とある司法書士の戯れ言

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死後離縁許可申立か未成年後見人選任申立か?

 先日、ここで取り上げた養父、養母共に亡くなり親権を行使する者がいなくなった未成年の養子の件になりますが、家庭裁判所に死後離縁許可申立ではなく未成年後見人選任申立をする方向になります。

 

 死後離縁をしてしまうと、養父母との関係が終了してしまい、実父母の戸籍に入籍することになり名字も実父母の名字になってしまいます。そのため、養父母の間のお子さんが先出の未成年の養子しかいない場合に、死後離縁してしまうとお家が断絶してしまうことになります。

 

 依頼者から聞き取りをしたところ、養父母の希望として「家」を引き継いでほしい旨の話があったとのことだったので、今回はこのような選択をすることにしました。未成年後見であれば、死後離縁と異なり養父母との関係も切れないですしね。

 

 未成年後見人選任申立自体、成年後見開始申立とほぼ変わらないと思いますが、ケースによっては児童相談所などが絡む場合もあります。

 

 なお、来年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられ当該未成年者も来年で18歳になりますが、当該未成年者の誕生日が相続税の申告及び納付期限日の直前なので、未成年後見制度を利用するか成人年齢(18歳)に達するのを待つかにつき税理士さんとも打ち合わせして検討することになります。悩ましい問題ですね。