とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

既に亡くなっている者との共有名義にする相続登記

 とあるSNSで出ていましたが、固定資産評価額が160万円の土地につき、持分2分の1:亡A、持分2分の1:Bとする相続登記をする場合の登録免許税の算出方法はどうでしょうか。

 

 この場合、租税特別措置法第84条の2の3第1項により、亡Aが相続する持分2分の1の部分については非課税になります。

 

 そして、Bが相続する持分2分の1の部分についてはどうでしょうか。Bが相続する持分2分の1の部分の価格は80万円になります。ただ、今回の相続登記につき登録免許税の課税標準たる不動産の価格はあくまでも160万円になります。そのため、今回の相続登記の登録免許税については以下のとおりになります。

 

(1)全体の登録免許税額

160万円×1000分の4=6,400円

 

(2)(1)のうち亡Aが相続する持分に相当する分

6,400×2分の1=3,200円

 

(3)全体の登録免許税額-亡Aが相続する分=Bが納付すべき登録免許税額

6,400-3,200=3,200円

 

 今回のような場合、全体の登録免許税額から亡Aが相続する持分に相当する部分を控除した額が、Bが納付すべき登録免許税額となります。

(令和6年3月19日法務省民事局民事第二課赤間補佐官事務連絡)

 

 よって、Bが取得する持分に相当する分が80万円になるものの、租税特別措置法第84条の2の3第2項は適用されません。そのため、登記研究第901号187頁質疑応答に掲載されている取り扱いにはならないので注意が必要になりますね。