今般、信託財産たるアパートにかかるアパートローンを借り換えることになりました。このアパートローン自体は信託財産責任負担債務になっています。
ここで問題になるのは、受託者の権限の中に「信託財産を担保にして借入れをし(根)抵当権設定契約を締結し登記をする権限」については契約書上明記されていません。ただ、契約書の条項に「信託契約に定めのないことについては信託法、民法、その他の法令及び信義則に従い受託者と受益者の協議で決める。」とあります。
よって、このケースでは上記の条項に基づき「アパートローンの借り換えをし(根)抵当権設定契約締結し登記をする」ことにつき受託者と受益者の協議で決めることができるか否かが問題になります。ワシ自身は受託者と受益者の協議で決めることができると考えたので、念のため管轄法務局に照会しました。
結果、受託者と受益者との協議により「借り換えをし(根)抵当権設定契約を締結し登記する」ことにつき合意ができていれば可能という回答をいただきました。その際に、登記原因証明情報には「受託者と受益者とで協議をし合意が成立している」旨を盛り込んでおく必要があるとのことでした。
今回のケースについては、今日までに借り換え先の(根)抵当権設定登記が完了しているので、あとは借り換え元の金融機関の(根)抵当権抹消登記が済めば完了ということになります。