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数次相続で中間の相続人が直系尊属のケース

 現在手がけている相続登記案件ですが、数次相続で中間の相続人が直系尊属になるケースがあります。このケースでは、以下の順番で相続が発生しています。なお、不動産の登記名義人は被相続人X名義で、被相続人には配偶者はおらず弟のYがいます。

 

1.昭和60年1月1日:被相続人Xの父親Aが死亡

2.令和3年1月1日:被相続人Xが死亡。法定相続人は母親B

3.令和4年1月1日:被相続人Xの母親Bが死亡。Bの両親及びAの両親(被相続人Xの祖父母)は既に亡くなっているため法定相続人はYとなる。

 

 この場合、被相続人X名義の不動産につき相続登記をする際に、B名義にすることなく直接Y名義にすることができるでしょうか。この場合は、中間の相続人がB単独なので、Xから直接Y名義にすることができます。この場合の登記原因は以下の通りです。

 

登記の目的 所有権移転

登記原因 令和3年1月1日B相続 令和4年1月1日相続

相続人 (被相続人 X) 相続人(住所)Y

不動産の表示 省略

 

 中間が直系尊属が相続人になるので面食らいましたが、中間が母親Bの単独相続になるので、XからY名義にすることができます。

 

 なお、直系尊属が相続人になる場合、配偶者は必ず相続人になります。また、親等の一番近い父母がいれば父母が相続人となり、父母が死亡している等によりいない場合で祖父母がいれば祖父母が相続人になり、父母及び祖父母がいない場合で曾祖父母がいれば曾祖父母が相続人…ということになります。ちなみに、直系尊属には実親だけでなく養親も含まれます。