先日あった相談です。唯一の相続人が服役中で、相続登記後に不動産を売却したいとの話がありました。この場合、相続人兼売主たる受刑者につき住民票や印鑑証明書に代わるものとして何があるかどうかにつき取り上げたいと思います。
まず、住民票ですが、刑務所に収監された時点の住所地に住民登録が残っていれば、その住所地で取得することになります。また、刑務所に住所を移転し住民登録をしている場合は、刑務所がある自治体で住民票を取得することになります。
続きまして、印鑑証明書ですが収監された時点の住所地に住民登録が残っていればそこで印鑑証明書を取得することが可能です。ただ、印鑑証明書を取得できない場合は「本人の拇印である旨を刑務所長または刑務支所長が奥書証明した委任状」を添付することで代用ができます（昭和３９年２月２７日民事甲４２３号）。
なお、刑務所に在監中であることを証する在監証明書も必要になる場合もありますね。
