A株式会社が100%出資して完全子会社たるB株式会社を設立する場合、実質的支配者がどうなるかが問題になります。A株式会社の役員構成及び株主は以下の通りになります。
☆役員構成
代表取締役たる取締役:X
取締役:Y
取締役:Z
監査役:P
☆株主構成(発行済株式総数100株・普通株式)
X:90株
Y:5株
Z:3株
Q:2株
この場合、B株式会社の実質的支配者はA株式会社になります。仮に発起人が国や地方自治体の場合は実質的支配者は国や地方自治体と解して問題はないですが、A株式会社などの会社の場合、A株式会社の株主構成を確認する必要があります。今回の場合、A株式会社につき議決権のある株式の過半数を有するのはXなので、XがB株式会社の株式を間接保有していることになります。
ゆえに、今回の場合はXがB株式会社の実質的支配者ということになります。