とある司法書士の戯れ言

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上申書を添付せざる得ない所有権登記名義人住所変更登記

 先日、相続登記とセットで被相続人との共有者につき所有権登記名義人住所氏名変更登記の依頼もありました。ただ、登記簿上の住所が出ているものが除籍謄本だけであり、住所移転の経過は共有者が結婚直前の住所から現住所へのものしか分かりません。

 

(事例)

①A市B町100番地(登記簿上の住所・除籍謄本に記載)

②A市B町1丁目1番地1(昭和46年区画整理による町名地番変更)

③A市C町2番地(住所移転時期不明・結婚直前の住所)

④A市D町3番地(昭和53年住所移転、氏名変更・現住所)

 

 手元には③から④に住所移転をした経過が分かる住民票がありますが、①②から③に住所が変わった経過が分かるものはありません。そして、当該物件の権利証がないとのことなので、当該物件の固定資産税等の課税明細書や当該共有者につき住所移転の経過にかかる上申書(実印押印・印鑑証明書添付)も用意する必要があります。なお、上申書に添付する印鑑証明書ですが、3ヵ月以内のものである必要はありませんし、原本還付も可能です。

 

 今回の相続及び所有権登記名義人住所氏名変更登記が終わり次第、当該不動産を売却するとのことなので、速やかに進める必要がありますね。