とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

不動産登記

所有者の検索情報申出について

今年の4月21日以降に、個人名義の所有権保存・移転登記等を申請する場合、所有者から検索情報の申出もすることになりました。これは、令和8年4月1日から所有権登記名義人住所・氏名変更登記が義務化され、かつ、登記官の職権により登記できるようにな…

農地法の許可書を紛失した場合

司法書士業務で関係があるのは、売買や贈与による所有権移転登記をするケースにおける農地法第3条許可及び農地法第5条許可になります。これらのケースで農地法の許可書を紛失してしまった場合どうなるでしょうか。 農地法の許可書を紛失した場合、下記によ…

相続登記と担保権抹消登記

ここのところ、住宅ローンの抵当権抹消登記の前提として相続による所有権移転登記の依頼が立て続けにありました。 1つは、最近住宅ローンを完済し抵当権抹消登記関係書類一式を預かっていたものの、担保物件たる土地の名義が亡くなった父親のままで、相続に…

地目変更登記には要注意!

決済案件などで、決済直前に地目変更登記がされているケースがあると思います。こういった場合、固定資産評価証明書上の現況が地目変更登記後の地目と同じであれば、まあ大丈夫ですが、現況と地目変更登記後の地目が異なる場合には注意が必要です。 例えば、…

一筆の土地に公衆用道路部分が含まれているケース・2

先日、数年ぶりに一筆の土地に公衆用道路部分が含まれているケースがありました。固定資産評価証明書に記載されている地積が課税部分と非課税部分に分かれており、課税部分は宅地、非課税部分に関しては公衆用道路と明記されていました。 そのため、宅地部分…

養子縁組前に出生した養子の子どもが代襲相続人になれないケース

11月12日に養子縁組前に出生した養子の子どもが代襲相続人になれるか否かにつき、最高裁小法廷にて判決が出ました。 今回のケースは、被相続人甲の母Aが、妹たるBの子どもであるCと養子縁組をしたことで、甲とCが兄弟姉妹になったことが事の発端であ…

清算結了している根抵当権者・2

先日ここで取り上げた「清算結了している根抵当権者」の件ですが、本日無事に抹消登記が完了しました。内心不安があったのでホッとしたのは言うまでもありません。 今回のように、根抵当権者たる法人が清算結了し消滅している場合でも、不動産登記法第17条…

売買における所有権移転時期について

売買における所有権移転時期ですが「買主が売買代金の全額を支払ったとき」に移転することが多いと思います。ただ、移転時期についてはある程度自由に定めることができそうです。 先日あった決済ですが、売買契約と同時に売買代金が支払われていましたが、売…

清算結了している根抵当権者

今週、地元の弁護士さんから根抵当権抹消登記の依頼がありました。先に資料をいただいて確認したところ、根抵当権者が昨年12月末で解散し、今年の3月末をもって清算結了しているのが判明しました。ただ、昨年5月発行の根抵当権者の抹消登記委任状及び根…

職印証明書は印鑑証明書になるか?

先日、弁護士さんが相続財産清算人で売主になっている決済がありました。その際に、弁護士さんから所属弁護士会発行の職印証明書を預かりました。 しかし、不動産登記令第16条第2項にて「登記申請書の添付書類である印鑑証明書は、原則として市区町村長又…

民法第646条第2項による移転登記

ここのところ、この「年月日民法第646条第2項による移転」を登記原因とする所有権移転登記がクローズアップされています。 この登記は、受任者と委任者との委任契約に基づき、受任者が委任者のために不動産の所有権を取得した後、受任者の委任事務が終了…

事前通知の送り先について

不動産登記につき、事前通知の送り先は登記義務者の登記上の住所になります。また、登記義務者が法人である場合は、原則としてその法人の本店所在地に送られますが、事前に代表者個人の住所への送付を希望する申出があったときは、代表者の住所地に送られま…

地上権の相続における登録免許税

今週、マンションの相続登記の依頼がありました。敷地権は所有権部分と地上権部分に分かれています。そのため、敷地権の価格によっては租税特別措置法第84条の2の3第2項の適用の有無が問題になります。 ただ、租税時別措置法第84条の2の3第2項です…

会社が新社屋を建てた場合

会社や法人が新社屋を建てた場合、登記簿上の住所をどうするかが問題になります。 まずは、本店もしくは主たる事務所移転前の住所で建物表題登記及び所有権保存登記をした上で、本店もしくは主たる事務所移転登記が完了した後に、所有権登記名義人住所変更登…

分筆登記完了前の売買

不動産の売買において、売主が宅地を造成し分譲する場合など、売買契約の時点では土地の合筆や分筆が終わっておらず、売買の対象となる土地にまだ地番がついていないケースがあります。この場合、売買契約書には現在の土地の表示をし、売買対象をその一部と…

所有権の登記後に登記された附属建物には要注意!

附属建物Bを主たる建物Aより分割すると、分割後の建物Bについて新たに表題部が設けられ、権利部の相当区(甲区・乙区)には、分割前の建物Aの登記記録から権利に関する登記が転写され、かつ、分割登記申請の受付年月日及び受付番号が記録されます(規則…

区分建物がそうでなくなった場合

先日、土地建物の所有権登記名義人住所変更登記の依頼がありました。建物の登記簿を確認したところ「不動産登記規則第140条第4項の規定により移記」と記載されていました。 不動産登記規則第140条第4項では、区分合併以外の原因により区分建物である…

久々に休眠抵当権抹消登記申請

今週、弁済供託による休眠抵当権の抹消登記を申請し完了しました。弁済供託手続が完了した後、供託書正本を登記原因証明情報としてPDF化した上で、オンライン申請しました。弁済供託による休眠抵当権抹消登記は久々でしたね。 弁済供託による休眠抵当権抹…

母国の氏名が漢字である場合

先日、日本に住んでいる韓国人が買主の決済がありました。登記権利者たる買主さんにつき、母国の氏名が漢字である場合でも、以下の通りに表記することになります。 登記の目的 所有権移転 原因 令和6年4月1日売買 権利者 A市B町一丁目1番2号 宣 銅烈…

共有者の一方に破産管財人が選任されているケース

今月中に手がける案件になりますが、土地建物がAB共有で、Bについて破産管財人が選任されているケースがあります。なお、Aについては破産管財人が選任されていません。この状況でAB共有の土地建物をCに売却する場合、必要な書類はどうなるでしょうか…

相続登記と抹消登記のセット

ここのところ、相続登記後に(根)抵当権抹消登記をするケースが続いています。相続登記完了後に住宅ローン完済にかかる金融機関名義の抵当権抹消登記を申請したり、昨年末から今年にかけて、相続登記完了後にアパートローン完済にかかる金融機関名義の抵当…

登記申請人が刑務所にいる場合

先日あった相談です。唯一の相続人が服役中で、相続登記後に不動産を売却したいとの話がありました。この場合、相続人兼売主たる受刑者につき住民票や印鑑証明書に代わるものとして何があるかどうかにつき取り上げたいと思います。 まず、住民票ですが、刑務…

隣接する土地の持分交換

AとBが共有するX土地につき、X土地とY土地に分筆した上で、その後、両土地においてB持分につきCが相続し、さらにCが相続した持分をDが買い受けたケースにつき、X土地をA単有としY土地をD単有としたいとの依頼がありました。 (事例) ☆X土地、…

会社法人等番号を提供することにより証明できる範囲

先日、株式会社富士銀行名義の根抵当権抹消登記を手がけました。富士銀行は株式会社みずほコーポレート銀行に商号変更された後、現在の株式会社みずほ銀行に商号が変わっております。ただ、会社法人等番号は平成24年5月20日より前から現在に至るまでの…

譲渡担保権の消滅

先日、不動産譲渡担保契約の解除にかかる相談がありました。譲渡担保権は被担保債務の弁済または譲渡担保契約の解除により消滅します。譲渡担保契約により不動産の譲渡担保権を設定した場合「年月日譲渡担保」を原因として所有権移転登記をします。そこで、…

被後見人が売主の場合の売却許可

今回、このような決済の依頼がありました。売買物件は中古住宅で所有者は以下の通りです。 1.物件 A市D町2番地の土地建物 2.売主 持分2分の1 A市B町1番地 X 成年後見人A 持分2分の1 U市C町2番地 Y 成年後見人B 3.買主 A市C町3番地…

登記名義人表示変更更正登記の登録免許税

いわゆる名変登記は登録免許税が1筆1,000円ですが、以下の場合には1筆2,000円になります。 (1)登記の目的 所有権登記名義人氏名変更住所更正 登記原因 錯誤、年月日氏名変更 (2)登記の目的 所有権登記名義人氏名更正住所変更 登記原因 錯…

相続人不存在による名変登記における注意点

ここのところ、相続人不存在により相続財産清算人が選任されているケースで「年月日相続人不存在」を原因とする「亡○○○○相続財産」への所有権登記名義人氏名変更登記の依頼があります。 この場合、相続財産清算人の選任審判書を添付することになりますが、選…

外国人が所有権の登記名義人になる場合

今年の4月1日より、外国人が所有権の登記名義人になる場合に必要になったことは以下の通りです。なお、外国人の氏名変更登記をする場合も同様です。 (1)ローマ字氏名(氏名の表音をアルファベット表記したもの)を申請情報として提供する。 (2)添付…

数年前に依頼があった相続案件の登記申請

先月中旬に数年前に依頼があった相続案件が動き出しましたが、今日までに書類がすべて整ったので、数年前に依頼があった分と先月依頼があった分を併せて申請しました。これでこの件もようやくひと段落となります。 一時はこのままになってしまうかと思ってい…