家事事件
司法書士業務に関連する家事事件につき、管轄がどこになるかにつき整理してみました。 1.甲類事件 ・特別代理人選任(親権者とその子との利益相反):子の住所地の家庭裁判所 ・遺言書の検認:遺言者の最後の住所地の家庭裁判所 ・相続放棄の申述: 被相続…
2019年(令和1年)7月1日より前に被相続人が亡くなった場合、遺留分を侵害された者は、改正前民法の規定に基づき、贈与または遺贈を受けた者に対し、遺留分侵害の限度で贈与または遺贈された物件の返還を請求する遺留分減殺による物件返還請求等の調…
2019年(令和1年)7月1日以降に発生した相続の場合、侵害されている遺留分を請求する場合、遺留分侵害額請求調停をすることになります。遺留分侵害額請求調停の管轄等は以下の通りになります。 1.申立人 ・遺留分を侵害された者(兄弟姉妹以外の相…
先日、依頼があった遺言書検認申立書作成の件ですが、昨日までに必要な戸籍一式が揃いました。そこで、相続関係説明図を作成した後、遺言書検認申立書と一緒に提出する戸籍一式につき原本還付できるように、原本還付の申出書を作成の上、戸籍一式を全てコピ…
先月末に自筆証書遺言の遺言書検認申立のことで相談がありました。被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になるようで、家裁に提出する必要がある戸籍に関するものだったので、相談者が持参したものを確認した上で、必要な戸籍を説明しました。 結局、請求先が遠方…
家事事件の種類ですが、審判事件、調停事件に分類され、審判事件は甲類・乙類に、調停事件は乙類調停・特殊調停・一般調停に分類されます。 1.甲類事件(例:子の氏の変更、相続放棄、特別代理人選任、後見人の選任、養子縁組の許可など) ・専ら審判のみ…
昨年末に依頼があった相続案件につき、先週の火曜日に依頼者から被相続人の娘さんの相続放棄申述受理証明書が届きました。被相続人の直系尊属については、両親、祖父母は亡くなっているので、相続人は被相続人の配偶者たる妻と兄弟姉妹が相続人になります。 …
大分前に家庭裁判所で法定相続情報一覧図を使うことができるかどうかにつき取り上げた事があります。この時は使えないところが多かったです。ただ、前回取り上げてから5年半以上経過したので変化があったかどうかにつき取り上げたいと思います。 家庭裁判所…
家庭裁判所の人事訴訟手続におけるウェブ会議の運用にかかる改正の施行日ですが、公布の日たる2022年5月25日から3年以内の政令で定める日とされているだけで、施行日は決まっていないようです。 そもそも、夫婦、親子等の関係についての争いを解決す…
家庭裁判所の家事調停事件手続については、簡易裁判所の民事調停事件と同様に、令和6年5月7日(火)から7月31日(水)までの間に、ウェブ会議等の運用を開始することとなりました。 おかげで、家事調停において、ウェブ会議を利用して離婚・離縁の和解…
特別養子縁組成立の申立がなされ、その審判が確定した場合に戸籍にはどのような記載がなされるでしょうか。 1.実親の戸籍 ・特別養子縁組の裁判が確定した日付 ・申立をした養父母より特別養子縁組の届出がなされた日付 ・養親と同じ本籍地で「養親の氏の…
死後離縁許可申立書作成の件ですが、先月中旬に依頼者から、市役所に離縁届と死後離縁許可審判書、審判確定証明書を提出し受理されたとの連絡がありました。そこで、依頼者の名字が養父母のものから実父母のものに変わったため預金口座などの氏名変更手続が…
今日、後見関係の用事で地元の家裁に行ったときに、家裁の書記官さんからワシが書類作成をした死後離縁許可申立の件で審判がおりたとの話がありました。よって、この件は審判書が申立人に届いてから2週間で審判が確定することになり、確定後に市役所にて死…
ワシ自身、後見案件は手がけているものの、家事事件の申立書作成はそれほど手がけていないです。ただ、ここ数年の間で手がけたものは以下の通りです。 1.相続放棄の申述 2.特別代理人選任申立:相続がらみの件 3.死後離縁許可申立 4.後見開始申立 5…
相続登記の依頼とセットで相談があった死後離縁許可申立書作成の件ですが、お盆明けに相続手続が全て完了したので、死後離縁許可申立書を作成し申立人から申立書などに記名押印してもらいました。その後、ワシが後見関係の用事で管轄の家裁に行く予定があっ…
昨日は、旧知の方から相続放棄に関する相談があり事務所で対応しました。相談者の兄弟姉妹の相続につき、被相続人の子どもが相続放棄をしたために、法定相続人となった兄弟姉妹たる相談者及び相談者の姪の相続放棄に関するものでした。 今回は相続放棄手続の…
これから死後離縁許可申立書作成案件を手がける予定です。そこで、裁判所に行った際に家裁で死後離縁許可申立手続の流れにつき確認しました。手続の流れはこんな感じです。 1.管轄家庭裁判所に申立書を提出する。(管轄家庭裁判所=申立人の住所地を管轄す…
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚する際または離婚後に分けることであります。民法第768条に定められている通り、離婚に伴う財産分与は離婚成立日から2年以内に行う必要があります。 言い方を変えると、離婚後、財産分与につい…
法務局での遺言書保管制度を利用していない自筆証書遺言や秘密証書遺言については、遺言書の保管者またはこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求する必要があります。 検認申立に必要な…
家庭裁判所で選任された未成年者や被後見人の特別代理人の権限ですが、特別代理人選任審判書に記載されていることにつき代理する権限があります。 例えば「被相続人Aの遺産の分割協議をするにつき、未成年者(成年被後見人)の特別代理人に~(略)」とあれ…
昨年依頼があった相続案件につき相続手続が済んだ後、被相続人たる養親と相続人たる養子との死後離縁許可申立をすることになる予定です。死後離縁許可申立は「申立人の住所地の家庭裁判所」にすることになります。 死後離縁許可申立に必要な書類は以下の通り…
以前、相続放棄の申述有無の照会をやったことがあります。照会をすることができるのは相続人、被相続人に対する利害関係人(例:債権者など)になります。必要書類は以下の通りになります。 1.相続人による照会 ①被相続人の住民票の除票(本籍地が表示され…
昨年から手がけている相続案件になりますが、税理士さんを交えて依頼者と打ち合わせをした結果、未成年後見人選任申立でなく死後離縁許可申立をすることになりました。 未成年後見人選任申立を検討していたのは、遺産分割協議を成立させた上で被相続人名義の…
相続における遺産分割協議などで未成年者と親権者とで利益相反する場合、未成年者につき特別代理人を選任する必要があります。そこで、特別代理人選任申立後の流れについてざっとまとめてみようと思います。 1.特別代理人選任申立書を管轄家庭裁判所に提出…
先日、ここで取り上げた養父、養母共に亡くなり親権を行使する者がいなくなった未成年の養子の件になりますが、家庭裁判所に死後離縁許可申立ではなく未成年後見人選任申立をする方向になります。 死後離縁をしてしまうと、養父母との関係が終了してしまい、…
未成年者の実親や養親がいなくなり親権を行使することができる者がいなくなった場合はどうすればいいのでしょうか。このことについてまとめてみました。 1.実親が親権者だった場合 ・未成年者後見人選任申立 ・親権者変更申立:離婚した際に決めた親権者の…
先日、相談を受けた件になります。お子さんがいない夫婦が、姪とそのお子さんを夫婦養子にしたケースになります。今般、養父母が相次いで亡くなってしまい、成人している姪と今年17歳になるそのお子さんが相続人として残されました。 さて、未成年者につい…
先日、相続放棄申述に関するお問い合わせがありました。相続放棄制度と熟慮期間、管轄、費用概算について説明した上で、実際にやるかどうかについてはお任せすることにしました。 ただ、相続放棄をすることで相続人の構成ががらりと変わることがあるので、債…
再転相続とは、相続人が熟慮期間中に、相続の承認または放棄を行わないまま死亡してしまった場合に、その死亡した者の相続人が、前相続人の相続を承認または放棄する権利を承継することです。具体的には下記の状況ですね。 (例)祖父X(1月1日死亡)⇒父…
遺言執行者や成年後見人、保佐人、補助人、成年後見監督人、保佐監督人、補助監督人、任意後見監督人の報酬は家庭裁判所で決めるため、報酬付与申立をすることになります。 さて、不在者財産管理人及び相続財産管理人の報酬についてはどうでしょうか。不在者…