とある司法書士の戯れ言

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株式会社が発起人である場合における実質的支配者の認定

 株式会社が発起人である場合における実質的支配者の認定方法につき、日本公証人会連合会にて改訂がなされました。

 

 今までは株主名簿により実質的支配者を認定することが多かったようです。株主名簿だと閲覧謄写できる者が株主と債権者となっており、一般公開するものではないため、個人情報保護の問題が出てきます。

 

 そこで、実質的支配者の認定根拠資料となる書類は、当該会社の然るべき立場の者が作成名義人となっており、実質的支配者たる株主につき以下の事項が記載されているもので足りるとされました。

 

・名前

・住所

保有株式数

・議決権割合

 

 その書類の名称には制限はありません。然るべき立場にある作成者が当該会社の株主名簿に記載された内容と相違ない旨を付記し、署名または記名捺印することになります。ただ、定款認証の嘱託人とのやりとりや関係資料から、当該書類が真正なものであるとの心証がとれるときは、記名のみで差し支えないものとします。

 

 また、実質的支配者の認定根拠資料として、株主リストを利用することも考えられますが、株主リストには実質的支配者でない者が掲載されることもあり得ます。そのため、株主リストのうち実質的支配者となるべき者が記載されている部分だけが、実質的支配者の認定根拠資料として必要になりますね。