とある司法書士の戯れ言

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遺産分割協議の成立後に相続人が亡くなった場合

 現在、手がけている件で遺産分割協議成立後に相続人が亡くなってしまったケースがあります。

 

 今から10年ほど前に被相続人Aの遺産をBが相続する旨の遺産分割協議が成立しましたが、相続人が10名ほどいたので、相続人各々が遺産分割協議証明書(印鑑証明書付)に記名押印しました。

 

 その後5年前、相続登記漏れしている物件が出てきたので当時の書類を利用して相続登記をしようとしたところ、相続人の1人であるCが遺産分割協議証明書(印鑑証明書付)を紛失してしまったことが発覚し、探したものの見つかりませんでした。そして、AからBへの相続登記ができぬままCは平成31年に亡くなってしまいました。Cの相続人は長男Xと長女Yの2人です。

 

 この場合、A以外の相続人全員の遺産分割協議証明書と、Cの相続人XとYが作成した被相続人Aの遺産をBが相続する旨の遺産分割協議が成立したことを証する書面(印鑑証明書付)をAの遺産分割協議証明書に代わるものとして添付すれば、被相続人AからBへの相続登記はできるでしょうか?

 

 地元の法務局に照会したところ、遺産分割協議自体は成立しているので、A以外の相続人全員の遺産分割協議証明書と、XとYが作成した「被相続人Aの遺産をBが相続する旨の遺産分割協議が成立したことを証する書面(印鑑証明書付)」を添付すれば、相続登記はできるとのことでした。よって、相続登記はできますね。