とある司法書士の戯れ言

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売買契約後に売主が亡くなった場合の登記原因証明情報

 先日、市街化調整区域の農地を宅地に転用して分譲しようとしたところ、売買契約後に売主が亡くなったケースを取り上げました。さて、このケースでの登記原因証明情報を以下の通り起案しました。なお、売買代金支払後に所有権が移転する旨の特約があります。

 

☆事例:売主A、売主の相続人B、買主C

○登記の原因となる事実または法律行為

(1)売買契約

 令和6年9月1日、AはCに本件不動産を売った。

(2)所有権移転時期の特約

 (1)の売買契約には、本件不動産の所有権は売買代金の支払いが完了した時に、Cに移転する旨の所有権移転時期に関する特約が付されている。

(3)農地法第5条の許可

 本件売買につき、令和6年11月1日に農地法第5条許可が下りている。

(4)Aの相続

 令和7年1月1日、Aが亡くなった。遺産分割協議の結果、本件不動産はCが相続することになり、相続登記を完了させた。

(5)売主の地位の承継

 売主Aの法定相続人全員と買主Cは、(1)の売買契約の売主の地位をBが承継することに合意した。

(6)代金の支払い

 令和7年3月1日、CはBに対し売買代金全額を支払い、Bはこれを受領した。

(7)所有権移転

 よって、本件不動産の所有権は、同日、BからCに移転した。

 

 (5)については、売主としての本件不動産の引渡義務も、本件不動産の所有権とは別に承継することになります。Bへの引渡義務の承継については、Aの法定相続人全員だけでなく買主Cの同意も必要だと考えられるため、このように記載しました。