とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

古い建物の相続保存

 先日、建物の名義人が先代及び先々代の名義になっているとのことで相談に来られた方がいました。持ってきた固定資産評価証明書を確認すると、未登記建物については課税台帳上の所有者が先代のままになっており、登記されている建物については課税台帳及び登記簿上の所有者が先々代の名義になっており、かつ、建物表題登記だけされてました。

 

 来所する前に電話で「先代もしくは先々代の相続関係書類一式があれば持ってきて欲しい」旨を伝えたところ、先代の相続関係書類一式を持ってきてくれました。遺産分割協議書については印鑑証明書付で、戸籍一式も当時のまま綴られてました。

 

 戸籍を確認すると、先々代から先代に隠居による家督相続がなされ、先代の相続にかかる遺産分割協議書には「不動産(土地・建物)全部を○○(依頼者)に相続させる」旨が記載されていました。よって、先代名義の未登記建物については、戸籍と遺産分割協議書の写しを市役所の税務課に提出してもらって課税台帳の書換手続をしてもらうとともに、先々代名義の建物については相続保存登記をすることにしました。

 

 ただ、現況を反映している固定資産評価証明書と登記簿の表示が一致しないため登録免許税をどう算出するか検討してみました。結果、固定資産評価証明書に記載されている建物の評価額に基づいて算出することにしました。あとは、登記官の判断に委ねることにします。