商業法人登記において、登記懈怠もしくは役員の選任懈怠により、過料がかかります。過料の金額については会社法第976条にて上限額が100万円と定められていますが、金額は裁判所が決めるので詳しいことは分かりません。
ちなみに、登記懈怠とは「変更事項が生じていたにも関わらず登記をしていなかった」ケースで、選任懈怠とは「役員の選任決議をする必要があったにも関わらず選任決議を行っていなかった」ケースであります。
なお、過料の対象は「義務を懈怠していた個人」であるため、相続の対象にはならず相続人には引き継がれません。以下のケースでは前任の代表者が過料の対象になりますね。
(例)
〇株式会社A(平成18年設立・3月決算)
役員:取締役X
任期:10年
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令和1年6月1日に定時株主総会が行われた結果、Xは退任しYが取締役に就任した
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〇登記事項
平成28年6月30日:取締役X任期満了退任
令和1年6月1日:取締役Y就任
この場合、過料の対象になるのは後任者のYではなく前任者のXになります。