今から20年以上前、成年後見制度が新たに始まり任意後見制度も導入されました。任意後見制度自体が自己決定権の尊重を主眼としたものであります。そこで、自己決定権の尊重のために導入された任意後見制度を補完すべく、民事信託制度を上手く利用することはできないでしょうか。
上手く活用するための前提として、民事信託自体が万能ツールというわけではなく、任意後見制度や見守り契約などと組み合わせることで依頼者にとってプラスになるものだという認識が必要になります。依頼者にとって何が一番良いのかにつき検討することは必要不可欠ででしょうね。
また、上手く活用するためには信託というものについても立ち返って検討する必要があると思います。信託と言うと投資等のイメージが先行しますがそうとは限りません。今後、高齢化が進むにつれて、任意後見制度と組み合わせて民事信託制度を利用していく必要性が高まってくるのではないでしょうか。