とある司法書士の戯れ言

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養子縁組前に出生した養子の子どもが代襲相続人になれないケース

 11月12日に養子縁組前に出生した養子の子どもが代襲相続人になれるか否かにつき、最高裁小法廷にて判決が出ました。

 

 今回のケースは、被相続人甲の母Aが、妹たるBの子どもであるCと養子縁組をしたことで、甲とCが兄弟姉妹になったことが事の発端であります。そして、Cの子どもであるDは、AとCが養子縁組をする前に生まれていたので、Dが甲の代襲相続人にになれるか否かが問題になりました。

 

 今回の最高裁判決は「Dは甲の代襲相続人にはならない」でした。理由としては、代襲相続に関する民法の規定は、祖父母から孫への「直系」型の相続においては、養子縁組前に生まれた子どもを明確に代襲相続の対象外としていることから、伯父(叔父)・伯母(叔母)から甥・姪への「傍系」型の相続の場合にも、養子縁組前に生まれた子どもは代襲相続の対象にならないとの趣旨があるからとのことです。

 

 ゆえに、あくまでも「被相続人の親の直系の子孫」でなければ傍系の代襲相続はできないということになります。

 

 ただし、EはAとCとの養子縁組後に出生しているので、甲の代襲相続人になります。

 

 なお、以前アップした「養子縁組前の養子の子が相続人になるかどうか? - とある司法書士の戯れ言」の事例は今回の事例とは異なるので注意が必要です。

 

☆参照:養子縁組後の遺産、親に代わり相続「できず」 最高裁判所 - 日本経済新聞