とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

職務上請求書2号様式への理由の記載

 職務上請求書2号様式を利用するケースは、本人・親族等請求(戸籍法第10条第1項)か第三者請求(戸籍法第10条の2)のいずれかになります。

 

 まず、本人・親族等請求とは「本人または配偶者、直系尊属直系卑属等による請求」に基づき、司法書士が相続財産管理人、遺言執行者、成年後見人等として「本人」の法定代理人等の立場で交付請求する場合のことです。

 

 本人・親族等請求の場合には、被後見人の配偶者や直系尊属直系卑属から成年後見人(司法書士)に戸籍請求取得を依頼されたとしても、個別の委任状がなくても交付請求が可能ですし請求の理由を明示する必要もありません。ただし、審判書や遺言書や後見登記事項証明書など、請求権限を証する書面を提出または提示する必要はあります。

 

 次に、第三者請求とは「自己の権利の行使、義務の履行など、他人の戸籍を請求することができる正当事由がある者は他人の戸籍謄本等を請求できる」ことに基づき、司法書士が、いわゆる任意相続財産管理人等の業務を受任し代理人等に就任したときに戸籍謄本等を請求する場合のことです。

 

 第三者請求の場合には、正当事由がある「当事者または関係人」から、司法書士に対し「財産管理業務等の依頼がなされたことを証する書面」の提出または提示が必要になります。また、請求の理由も明示する必要があります。

 

 そのため、業務権限を明確にするためには、業務契約を締結し業務契約書を互いの受領しておくのが望ましいですね。