とある司法書士の戯れ言

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押印規定見直しによる影響

 令和3年1月29日法務省民商第10号民事局通達で、法令上、押印または印鑑証明書の添付を要する旨の規定のない書面については、原則として押印については審査対象にならないこととされました。押印が必要な書面と押印について審査を要しないとされた書面は以下の通りになります。

 

1.押印が必要な書類

・登記申請書

・原始定款(設立登記の際に添付する定款)

・取締役会議事録

・取締役の就任承諾書

代表取締役等の選任を証する書面

代表取締役等の辞任を証する書面

・ある取締役の一致があったことを証する書面

・不正登記防止申出書

・取下書

・登記された事項につき無効の原因があることを証する書面

・その他法令により押印または印鑑証明書の添付が求められている書面

 

2.押印につき審査を要しないとされた書面

・定款(設立登記以外の登記申請において添付するもの)

・株主リスト

・本人確認証明書として「運転免許証などの写し」など「原本に相違ない」旨の奥書を要するものを添付する場合

・原本還付請求の際に添付する原本の写し

・資本金の額の計上に関する証明書

・登記簿の附属書類の閲覧申請書

・事業を廃止していない旨の届出書

・印紙再使用証明申出書

・その他法令上押印または印鑑証明書の添付の規定がない書面

 

 なお、押印につき審査を要しないとされた書面については訂正印の有無についても審査を要しないとされました。また、申請書への契印(商業登記規則第35条第3項)など法令上の根拠があるものを除いて、契印の有無についても審査を要しないこととされました。原本還付請求する際の原本の写しについても契印が不要です。

 

 押印のない書面を添付することも可能になった分、当該書面が実体関係に沿ったものであるかどうかにつき、今まで以上に確認する必要があるかもしれませんね。