先日、不法行為による損害賠償債権を被担保債権とする抵当権を設定できるかどうかにつき聞かれました。もちろん初めて聞いたことなので調べてみたところ、不法行為による損害賠償債権を被担保債権とする抵当権設定については登記研究に出ています。
☆抵当権設定の登記原因の記載(登記研究第355号)
交通事故による損害賠償金、協議離婚による養育費及び慰藉料を担保するための抵当権設定登記の登記原因は、各々「年月日損害賠償債権の年月日設定契約」「年月日養育費、慰藉料債権の年月日設定契約」とするのが相当である。
Q:交通事故による損害賠償金、協議離婚による養育費及び慰藉料を被担保債権とする抵当権設定登記を申請する場合の登記原因は、次の要領でよいか。
(1)「年月日示談による交通事故の損害賠償債権の年月日設定契約」
(2)「年月日離婚協議による養育費、慰藉料債権の年月日設定契約」
A:所問の場合、次の例によるのが相当と考えます。
(1)「年月日損害賠償債権の年月日設定契約」
(2)「年月日養育費、慰藉料債権の年月日設定契約」
ちなみに、原因日付ですが、当事者同士の示談等で損害額が確定した日になるか、不法行為による損害賠償請求債権は不法行為日に発生するので不法行為日になるかは不明です。そのため、事案によって変わるかもしれないですね。