とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

会社間の贈与

 先日、会社間での贈与による所有権移転登記を手がけました。会社間でも贈与はできますが、今回は贈与者が解散している株式会社で受贈者は株式会社でした。そして、申請したところ管轄法務局の登記官より以下の指摘を受けました。なお、解散会社の清算人の職務は以下の通りになります。

 

(1)現務の結了

 会社解散時に終わっていない業務を終了させること。既に締結している契約の履行や解約、在庫の売却がこれにあたる。なお、清算事務の範囲でない新規の取引はできない。

(2)債権の取立て及び債務の弁済

 債務の弁済や残余財産の分配のために、不動産などの会社の財産をお金に換える必要がある。会社の債権については、債務者に支払いを請求したり債権譲渡を行うことにより換価し、会社の債務については、債権者への公告・催告期間を経て、弁済することになる。

(3)残余財産の分配

 会社の財産を換価し、債務の弁済をしても残余財産がある場合には、株主に分配する。

 

 上記(1)~(3)の中には会社名義の財産を贈与することは含まれておらず、清算人の職務ではないということで贈与は認められないのではないかということでした。結果、取り下げることとし依頼者に説明の上、売買することにしました。

 

 結果、今日までに登記が完了したのでホッとしたのは言うまでもありません。