とある司法書士の戯れ言

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負担付贈与の登記原因証明情報

 現在検討中の負担付贈与の件につき、登記原因証明情報を起案してみました。負担付贈与契約はあくまでも贈与契約なので片務契約ですが、負担の限度において瑕疵担保責任などの双務契約の規定が準用されます。

 

 登記原因証明情報については普通の贈与の様式でも登記は完了すると思われますが、官公庁の職員が定期的に法務局で登記簿や申請書のチェックをしているようなので、事実に沿って登記原因証明情報を起案しないとマズイと思います。そこで、ワシは下記の通りに起案してみました。

 

1.登記の原因となる事実又は法律行為

(1)AとBは、平成24年1月1日、本件不動産につき負担付贈与契約を締結した。負担付贈与契約の内容および契約に至った経緯は下記の通りである。

(2)経緯

 本件土地購入及び建物建築のため、平成10年1月1日に住宅ローンをJ公庫から、AおよびB´(現在 B)が連帯して借り入れた。そして、平成10年1月1日に当該連帯債務を担保するために本件土地建物にJ金融公庫(現在 独立行政法人J支援機構)を抵当権者とする抵当権を設定した。

 

 平成15年1月1日、AとBは調停により離婚した。しかし、本件不動産につき離婚による財産分与協議は行なわれなかった。

 

(3)負担付贈与契約の内容

 平成24年1月1日、BがAに対して本件不動産の持分全部を贈与する代わりに、Bが独立行政法人J支援機構に対して負担すべき連帯債務をAがすべて負担することとした。

 

(4)合意

 同日、ABは共に本件負担付贈与契約に合意した。またAは本件贈与につき受諾した。

 

(5)所有権移転

 よって、本件不動産の所有権は、同日、BからAに移転した。

 

 とりあえず思いつくままに起案してみただけなのでおかしなところがあると思われます。税理士さんとの打合せが済み次第、登記手続の準備にとりかかることになります。