公証人には職務執行区域があるのはご存じでしょうか。公証人は、法務局または地方法務局に所属し、法務大臣が指定する所属法務局の管轄区域内に公証役場を設置し事務を行っています。
公証人の職務は、原則として公証役場として設置した事務所で行うことになっています。ただし、病院や嘱託人の自宅で公正証書遺言を作成する場合や、職務の内容が他の場所で行われる貸金庫の開披などの場合には、公証役場以外で執務を行うことになります。
公証人は、所属する法務局、地方法務局の管轄外で職務を行うことはできないことになってます。よって、栃木県内にある公証役場の公証人は、栃木県内であれば出張できますが、栃木県外には出張できません。そのため、栃木県内に自宅があるものの群馬県内の施設に入所している方につき、施設にて公正証書遺言を作成することはできないことになります。
ただ、管轄区域外に居住する嘱託人が他の管轄地にある公証役場にて公正証書を作成することは可能です。よって、嘱託人が群馬県内在住でも、栃木県内の公証役場に出向けば当該公証役場の公証人が業務を行うことができます。