とある司法書士の戯れ言

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保証契約と保証意思宣明公正証書

 昨年4月1日以降に契約された事業用融資の保証契約については、予め、公証役場で保証意思宣明公正証書を作成する必要があります。

 

 保証意思宣明公正証書を作成する必要があるケースは、債務者が個人であり、事業のために負担した貸金等債務(金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務)を主たる債務とする保証契約を締結する場合です。この他には、主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる「根保証契約」を締結する場合や、上記各契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約を締結する場合も含まれます。

 

 ちなみに、事業用融資にはいわゆるアパートローンも含まれます。なぜなら、不動産賃貸事業を営むために、アパートやマンションを建設したり購入したりするために借り入れるのがアパートローンであります。よって、この場合、不動産賃貸事業のために借り入れることになるので、アパートローンも事業用融資になり、保証契約を締結する場合は保証意思宣明公正証書を作成する必要があります。

 

 保証意思宣明公正証書は、保証契約締結の日前1ヵ月以内に作成する必要があります。そのため、保証契約締結から1ヵ月より前に作成しても保証契約は無効ですし、保証契約締結後に作成しても保証契約は無効です。

 

 保証意思宣明公正証書を作成する際に、保証人になる者は「主債務の具体的内容を認識していること」と「保証債務を負担するリスクを認識していること」を公証人に伝えた上で、保証意思がある旨を表明することになります。