とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

調停に代わる決定

 民事調停は、原則として「当事者の話し合いにより合意成立を目指す」いうものです。ただ「裁判所が職権で解決内容を決定する。」という「調停に代わる決定」とか「17条決定」と呼ばれる制度もあります。(民事調停法第17条)

 

 これは、裁判所が職権で行うことになりますが、当事者が、裁判所に解決案を提示して欲しいと希望している場合に17条決定がなされることがあります。裁判所が提示する解決内容は、調停成立と同じように強制執行が可能です。(民事調停法第18条第5項)

 

 また、17条決定に対して異議申立をすることができます。内容に納得できない場合には、17条決定の告知後2週間以内に異議申立をすることができます。(民事調停法第18条第1項)異議申立がなされると、裁判所による決定は効力を失うことになります。(民事調停法第18条第4項)

 

 ただ、その後、訴訟などに移行した場合において、異議申立により効力を失った上記の17条決定が資料(証拠)として利用されたり重視されることが多いです。異議申立をした場合においても、この点は踏まえておく必要がありますね。

 

 ちなみに、昨年から手がけていた民事調停の件ですが、今日までに調停案がまとまり、合意に至りました。ただ、訴額等の問題により17条決定がなされ、裁判所からワシが代理人を務めていた相手方本人に直接、決定書が送達されることになりました。あとは、調停で決まったことを踏まえて動くことになりますね。