とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

信託終了による信託の引き継ぎによる所有権移転登記の登録免許税

 先月末に本格的にスタートした民事信託案件ですが、先週の金曜日に税理士さんも交えて2時間ほどZoomで打ち合わせがあり出席しました。話を持ってきて下さった行政書士さんを座長にし、税理士さんとワシとで意見交換をしました。まあ、今回は税務面が中心だったので、ワシの出番は契約内容と登記に関するところでしたね。

 

 その中で、信託終了による信託の引き継ぎによる所有権移転登記の登録免許税が取り上げられました。この場合、原則として登録免許税率は1000分の20になりますが、以下のケースでは登録免許税が変わります。

 

1.登録免許税法第7条第1項第2号のケース

「委託者=受益者」であり、信託期間中において委託者及び受益者に変更がないケースで、信託終了時に当該委託者(=受益者)に所有権を移転する(元の所有者に戻す)場合、所有権移転登記にかかる登録免許税は非課税になる。ただし、信託の抹消登記分(不動産1個につき金1,000円)はかかる。

 

2.登録免許税法第7条第2項のケース

 信託の効力発生(設定)時から「委託者=元本の受益者」であって、信託終了に伴って委託者の相続人を帰属権利者として所有権を移転する場合には、登録免許税率は1000分の4(相続登記の登録免許税率)になる。ただし、信託の抹消登記分(不動産1個につき金1,000円)はかかる。

 

 司法書士としては信託設定時の登記だけでなく、信託終了時の登記についても頭に入れておかないとマズイですね。今回は、このことに気付いただけでも大きな意味のある打ち合わせだったと思いますね。