とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

外国人が帰化した場合の戸籍

 先日手がけた相続登記案件で、被相続人の後に亡くなった相続人の配偶者が日本に帰化した外国人でした。帰化したのは当該相続人が亡くなった後でした。

(事例)

・平成5年1月1日:被相続人A死亡

・平成15年1月1日:相続人の1人であるB(日本人)死亡。Bの相続人は配偶者C(外国籍)とBC間の子どもD(日本国籍)である。なお、Cには前夫X(日本人)との間の子どもE(外国籍)がいる。

・平成25年11月1日:CとEの日本への帰化が認められた。

 

 まず、筆頭者Bの戸籍にD(独身)がBの子として記載されております。そのためBが筆頭者である戸籍にはDが記載されており除籍されていません。そして、Bの配偶者たるCだけでなく、Cの連れ子Eが筆頭者Bの戸籍に入籍しています。これはなぜでしょうか?

 

 まず、帰化した者が日本人配偶者の氏を名乗ると決め、その日本人配偶者が筆頭者であれば、帰化した者はその日本人配偶者の戸籍に入ります。今回のケースはこれに該当します。この時、日本人の子どもが既に戸籍に入っている場合には、帰化した者はその次の枠に記載されます。つまり新しく入籍した者は、一番下に記載されます。

 なお、日本人配偶者が筆頭者ではない場合には、その日本人配偶者の戸籍を新しく編製し、帰化した者はその戸籍に入ります。

 次に、帰化した者の氏を名乗ると決めた場合、その帰化した者を筆頭者とする新戸籍が編製され、日本人配偶者がその戸籍に入ります。

 既に日本人配偶者との間に子供がいる場合には、子供は自動的に帰化した者の新戸籍には入らず、日本人配偶者の戸籍に残ります。

 そのため、通常親子は同じ戸籍とすることが多いので子供の入籍届を行います。この時、子供の氏の変更に家庭裁判所の許可は不要です。

 親子ともに帰化した場合帰化した者の親が日本人の場合は、通常、子どもは親の戸籍に入ります。

 親子とも帰化した場合に子が親と異なる氏や本籍を定めた場合には、その子について新戸籍が編製されます。また、子に配偶者や子がある場合にも新戸籍が編製されます。

 これらのことから、今回のケースでは、CとEはCの夫であるBの戸籍に入籍するか、Cを筆頭者とする戸籍が編製されEも一緒に入籍するか否かのいずれかになりますね。