とある司法書士の戯れ言

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被相続人の同一性の証明

 昨年12月18日付で「被相続人の同一性の証明に関する不動産登記事務の取扱い(令和5年12月18日法務省民二)」という通達が出ました。具体的には以下の通りになります。

 

 被相続人の同一性を証する情報として、被相続人の住民票または戸籍の附票、固定資産税の納税証明書または評価証明書、不在籍証明書及び不在住証明書が提供された場合、下記の要件を満たせば上申書は不要になります。

 

(1)登記簿と納税証明書の不動産の表示及び所有者の氏名が一致すること

(2)納税証明書と住民票の納税義務者(被相続人)の住所及び氏名が一致すること

(3)住民票と戸籍の被相続人の本籍及び氏名が一致すること

 

 また、遺言公正証書が提供された上で、被相続人の同一性を証する情報として納税証明書などが提供された場合に下記の要件を満たせば上申書は不要です。

 

(1)登記簿上の不動産の表示及び所有権登記名義人の氏名が納税証明書等に記載された不動産の表示及び納税義務者の氏名と一致すること

(2)納税証明書などに記載された納税義務者の住所及び氏名が遺言公正証書に記載された遺言者の住所及び氏名と一致し、かつ、遺言公正証書に記載された遺言者及び相続人の氏名及び生年月日が戸籍等の謄本に記載された被相続人及び相続人の氏名及び生年月日と一致すること

 

 この通達によれば、納税通知書に記載されている住所氏名、不動産の表示と、被相続人の住所、氏名、不動産の表示が一致すれば上申書が不要ということになります。被相続人の同一性を証明するための書面として、納税通知書または評価証明書なども含まれるいうことでしょうね。