とある司法書士の戯れ言

KIKURINGの司法書士ライフと日常

不動産登記

租税特別措置法第84条の2の3第2項が適用される登記

租税特別措置法第84条の2の3第2項により、相続による所有権移転登記をする際に、固定資産評価額が100万円以下の土地については登録免許税が非課税になります。また、共有持分の相続登記の場合は、移転する持分の価格が100万円以下であれば登録免…

登記完了証は評価証明書の代わりになるか

同一年度内に、AからBに相続による所有権移転登記(オンライン申請)をした上で、BからCに売買による所有権移転登記をするケースで、AからBに相続による所有権移転登記申請の際に、最新年度の評価証明書を提出する必要があります。これは、BからCに…

遺贈による所有権移転登記が簡略化

今年の4月1日に施行される改正不動産登記法により、相続人に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができるようになります。 遺贈による所有権移転登記については、原則として登記権利者たる受贈者と登記義務者たる相続人…

数次相続で中間の相続人が直系尊属のケースは無事完了

先日ここで取り上げた、数次相続で中間の相続人が直系尊属のケースですが今日までに無事に完了しました。今までなかったケースなので、最初はいったん直系尊属たる亡母の名義にする必要があると思いましたが、中間が単独相続なのでその必要はないと気付くこ…

住居表示実施地域で登記簿上の住所が記載されている証明がない場合

地元は住居表示実施地域はありませんが、近隣市町には住居表示実施地域があります。さて、相続登記や所有権登記名義人住所変更登記の依頼で、被相続人や所有者の登記簿上の住所が住居表示実施後の住所になっており、その住所に居住していたことを証する住民…

数次相続で中間の相続人が直系尊属のケース

現在手がけている相続登記案件ですが、数次相続で中間の相続人が直系尊属になるケースがあります。このケースでは、以下の順番で相続が発生しています。なお、不動産の登記名義人は被相続人X名義で、被相続人には配偶者はおらず弟のYがいます。 1.昭和6…

売主さんが複数名いる決済

昨年から売主さんが複数名いる決済案件を手がけています。まずは売主さんの1人の名変登記を申請し、その後、今年に入ってから(根)抵当権を抹消しました。そして、セットバックのために分筆登記をしてもらった上で、決済という流れになります。 ただ、売主…

建物賃貸借契約の前提となる相続

売買の前提として相続登記の依頼はありますが、今般、建物賃貸借契約の前提となる相続登記の依頼がありました。この件は、最初の打ち合わせの段階で建物の特定に手間取りましたが、最終的には特定することができました。 今回のケースですが、敷地は平成15…

旧親族法ならではのこと

先日、相続案件の戸籍をチェックしていたら、被相続人Xの実家が、本家から分家したものの一旦廃家し、すぐに分家しているということが判明しました。具体的にはこんな感じです。 ☆A家(本籍:長野県) ↓ 昭和10年1月1日:A家からB家が分家(本籍:横浜…

名変登記が絡む案件続き

ここのところ、名変登記が絡む案件が続いています。決済案件で売主さんの登記簿上の住所が現住所と異なっていたり、新築住宅の引渡しの際に土地所有者の住所変更登記をしたりと名変登記が絡む案件が続いています。 名変登記は見落としてしまうとシャレになら…

当事者と面談できない決済

先日、決済直前に買主さんがコロナに感染してしまったケースがありました。この時は売主さんが不動産業者さんだったので、売主さんと買主さん等と相談した結果、売買代金支払い日を決めた上で集まらないで決済することになりました。 そこで、先に売主さんた…

中断している案件の費用精算

現在、中断している相続案件が数件あります。その中で、戸籍などをこちらで取得したものもあります。そこで、新年を迎えたこともあり、一旦、途中精算することにしました。 依頼者には「新年を迎えたことにより収支計算のために立替えになっている分も含めて…

準共有根抵当権の抹消

先日、このような根抵当権抹消登記の依頼がありました。 (甲区) 1番 所有権保存 所有者A (乙区) 1番 根抵当権設定 平成20年1月1日設定 根抵当権者X 1番付記1号 根抵当権元本確定 平成26年1月1日確定 1番付記2号 根抵当権一部移転 平成2…

役員個人所有の物件を会社が買い取り

昨年、このような依頼がありました。 (1)株式会社A(本店:T県A市) 代表取締役X、取締役Y (2)A株式会社(本店:G県T市) 代表取締役Z、取締役X なお、株式会社A及びA株式会社ともに閉鎖会社で、取締役会と監査役は設置されていません。 …

2023年最初の不動産登記申請

今年最初の不動産登記申請ですが、仕事始めの昨日に相続による所有権移転登記を申請しました。この件は休み中に書類が手元に届いたので仕事始めの日に申請することができました。 ちなみに、仕事始めの日に不動産登記申請するのは昨年に続き2年連続です。昨…

仮換地の売買による所有権移転登記

来週、仮換地の決済があります。今回のケースでは、11月中に使用収益することができるようになっているので、固定資産評価額は、従前地ではなく仮換地に関するものが必要になります。 ただ、今回も従前地の評価額が出ている評価証明書と使用収益することが…

2個の建物を主たる建物と附属建物の1個の建物に合併する場合

今月手がける予定の決済の中に、2個の独立した建物を主たる建物と附属建物の1個の建物に合併した後に決済するケースがあります。 このような場合には、土地家屋調査士さんにより建物合併登記をすることになります。この建物合併登記とは、2個の建物を主た…

事前通知による抵当権抹消は無事完了

久しぶりに手がけた事前通知による抵当権抹消ですが無事に完了しました。今回は地元の金融機関名義及び住宅金融公庫名義の抵当権抹消で、両方とも登記済証がなかったケースでした。 ちなみに、住宅金融公庫名義の抵当権に関しては、独立行政法人住宅金融支援…

久々に事前通知による抹消

今月に入ってから、地元の金融機関から事前通知制度を利用して(根)抵当権を抹消したいとの依頼がありました。 事前通知制度を理由した抹消の依頼自体が久々でしたが、無事申請に至りました。あとは、登記義務者たる(根)抵当権者から通知が法務局に戻れば…

遺贈による所有権移転登記

先日、ワシが遺言執行者として遺贈による所有権移転登記申請をし受遺者に所有権を移転しました。今回は、ワシ自身が遺言者の遺言執行者として登記義務者になります。 このような場合、ワシが「登記義務者兼登記権利者代理人」として受遺者から委任状をいただ…

土地区画整理の換地処分前の住所変更

先日、区画整理がらみでこのような事例に遭遇しました。 (事例) 平成7年7月1日土地区画整理法による換地処分 他の従前の土地(略) 甲区 1番 土地区画整理法の換地処分による所有権登記(平成7年7月7日受付第○号) 所有者 A市B町100番地 A ・…

遠方での本人確認は中止

先週の3連休中に、売買の売主さんの本人確認で京都に行く予定でしたが、売買自体が一旦中断することになり、今回は中止になりました。理由としては、売買物件につき当事者双方で協議することになったからであります。 まあ、このような場合、司法書士として…

相続人が方々に散らばっている相続・2

先日、ここで取り上げた相続人が方々に散らばっている相続の件ですが、相続人の1人に遺産分割協議証明書に印鑑を押印し直してもらうことができたので、早速、申請しました。 ちなみに、この件は地元管内ではなかったので、オンライン申請し書類は後から管轄…

相続人が方々に散らばっている相続

先月から相続人が方々に散らばっている相続案件を手がけています。遺産分割協議書などは相続人代表の方に引き渡し、その方が相続人全員に送ってくれ戻ってきた書類の取りまとめもやって下さりました。 書類一式がワシの手元に届き、チェックしたところ1名の…

主たる建物が取り壊されている場合の価格

建物の相続登記をする際に、登記簿に記載されている主たる建物たる居宅は、かなり前に取り壊され存在しておらず、実際には附属建物になっている物置2棟が存在してます。固定資産評価証明書には当該附属建物だけが記載されています。 さて、このような建物の…

農地法許可と譲受人の住所

今度決済する件になりますが、買主さんの現住所と農地法第5条許可書記載の住所がことなることが判明しました。仲介業者さん経由で事情を確認したところ以下のとおりになりました。 令和4年8月1日:農地法第5条許可申請 ↓ 令和4年8月20日:買主住所…

遠方での本人確認

近々、遠方に住む売主さんと別のところに住む買主さんの本人確認のため、それぞれの住所地に出向くことになりました。実際のところ、売主さんは関西地方在住で買主さんは都内近郊在住につき、土日や連休を使ってまとめて回ってしまおうと考えております。な…

在外公館発行の印鑑証明書

現在手がけている相続登記の件の中に、相続人のうち1人が海外に住んでいるケースがあります。この場合、当該相続人については遺産分割協議書に署名してもらった上で、在外公館発行の署名証明書と合綴してもらうことが多いと思います。 ただ、国によっては在…

分筆や合筆には要注意

先日、売買の依頼がありましたが、売買物件は、先月合筆した後に分筆した土地でした。そのため、合筆した全ての土地の固定資産評価額を合算した上で地積で割って平米単価を算出し、平米単価に今回の売買にかかる土地の地積を乗じたものが、今回の売買物件た…

本人確認情報と共同代理

ワシが住む関東では珍しいかもしれませんが、売主さんと買主さんそれぞれに別々の司法書士が代理人になることがあります。さて、このようなケースで売主さんが権利証を紛失していたため本人確認情報を作成し添付する場合、売買による所有権移転登記申請はど…